研究活動

研究例会

受付中

2025年度 第1回研究例会
障害とジェンダー・セクシュアリティ:交差性を考える

 本テーマ部会では、2年間を通して、障害や病むことと、ジェンダーやセクシュアリティの交差性(インターセクショナリティ)について考えていきます。障害や病いに関心を持つ方々、ジェンダーやセクシュアリティに関心を持つ方々、また交差性に広く関心を持つ方々など、ぜひご参加いただき、一緒に考えていただければと思います。
 3月の研究例会では、障害があるセクシュアル・マイノリティの人たちや女性の障害者へのインタビューを重ねてきた欧陽珊珊さんに、このたび提出された博士論文の内容を中心にお話を伺う予定です。(以下、敬称略)

開催日時

2026年3月15日(日)13:00~16:00

報 告

欧陽珊珊(立命館大学)

討論者

瀬山紀子(埼玉大学)・福永玄弥(東京大学)

司会

石島健太郎(東京都立大学)・三井さよ(法政大学)

会 場

東京都立大学南大沢キャンパス5号館142教室

参加申込

*参加をご予定の方は、下記からお申し込みください(2026年3月13日(金)〆切)。オンライン参加を希望する方には、当日朝までにZoomのURLをお送りします。

参加申込

連絡先

町田市相原町4342 法政大学社会学部
三井さよ研究室(s-mitsui[at]hosei.ac.jp)[at]を@に置き換えてください

担当研究委員

担当理事:三井さよ(法政大学)、石島健太郎(東京都立大学)
研究委員:郭立夫(筑波大学)、柳采延(常葉大学)

◆報告要旨

「交差する障害とセクシュアリティ–台湾身障同志の経験を中心に」

欧陽珊珊(立命館大学)

 本研究は、障害と性的マイノリティの交差がもたらす特有の経験を分析し、台湾の「身障同志」(多様な性を生きる障害者)が複合的周縁化の中で主体性をいかに形成するかを明らかにする。社会運動や団体活動に加え、家族・恋人・友人との関係におけるカミングアウト、さらに日常的交渉における規範撹乱の実踐を検討し、多層的な生の営みからインターセクショナルなアクティビズムの意義とリレーションシップの変容可能性を提示する。

 (文責:三井さよ)

受付中

2025年度 第2回研究例会
移民・エスニシティ:「多文化共生」を問い直す
――移民・難民の貧困と福祉制度からの排除――

 本テーマ部会では、2年間を通して、「『多文化共生』を問い直す」というテーマで、移民とエスニシティをめぐる問題を多角的に検討していきたいと思います。
日本において、1980年代のニューカマー外国人の増加から、すでに半世紀近くが経過しています。しかし移民統合政策を欠いてきたことの帰結として、「多文化共生」や「社会統合」をめぐる言説にしばしば同化主義や排除の論理が入り込んでいることが議論されています。また、「日本型」と言われてきた排外主義やレイシズムの質が、欧州型に変容しつつあるとの指摘もあります。
 以上の問題意識から、2年間にわたる部会Aでの研究活動では、各回設定するサブテーマを軸に、研究例会や年次大会を通じて多角的な議論を展開していく予定です。
 たとえば、近年、「福祉排外主義」が台頭する中で、外国人の貧困問題をめぐる構造的分析は、きわめて現代的かつ喫緊の課題として注目されています。加えて、ジェンダー、セクシュアリティ、障害、病いといったインターセクショナリティの視点から「多文化共生」を再考する試みも、社会学において重要な位置を占めています。都市・郊外・農村といった空間的文脈や、公営住宅などの集住地/散在地といった場所性が共生のあり方に与える影響についても、さらなる明確化が求められています。人種、レイシズム、ミックスルーツに関する理論的・実証的な研究の深化も不可欠です。また、越境者による食・アート・スポーツなどの実践を通じた文化の表出行為にも関心が高まっており、これらの営みが共生社会の形成に果たす役割についての検討が進められています。さらに、当事者研究やオートエスノグラフィなど、「移動する〈わたし〉たち」の語りをいかに描き出すかという方法論的課題も、今後の重要な研究テーマとなるでしょう。
 以上、現段階では課題を網羅的に提示するにとどまりましたが、本テーマ部会Aでは、これらの既存の研究視角を批判的に捉え直し、移民・エスニシティ研究の新たな地平を切り拓くことを目指します。
 そのキックオフ企画として、第2回研究例会では「移民・難民の貧困と福祉制度からの排除」をサブテーマとして設定し、現場での実践と理論的分析の両面から議論を深めます。近年、日本社会における移民・難民の生活困窮や社会的排除といった課題も深刻化しています。とくに、「福祉排外主義」と呼ばれる福祉制度へのアクセスをめぐる排外的な言説や政策の動向は、移民・難民の貧困を構造的に再生産する要因ともなっています。
 そこで、移民の貧困や生活保護について実証的、かつ実践的に研究されている研究者2名をお招きし、移民・難民が直面する貧困の実態と、それに対する福祉制度の対応、さらには排外的な現象との関係についてご報告いただきます。加えて、日本における貧困をめぐる歴史的視点にもとづくコメントを通じて、今後の研究課題についての議論を深めていきます。
 多くの皆さまのご参加と対話を歓迎いたします。

開催日時

2026年3月28日(土)14:00~17:00

報 告

大澤優真(一般社団法人つくろい東京ファンド事務局長/立教大学) 、山本直子(東洋英和女学院大学)

コメンテーター

冨江直子(茨城大学)

会 場

Zoomによるオンライン開催

参加申込

*参加をご予定の方は、下記からお申し込みください(2026313日(金)〆切)。

参加申込

連絡先

横浜市立大学 坪谷美欧子研究室
横浜市金沢区瀬戸22番2号
E-mail: tsuboya[at]yokohama-cu.ac.jp ※[at]を@に置き換えてください

担当研究委員

担当理事:坪谷美欧子(横浜市立大学)、藤浪海(関東学院大学)
研究委員:大野恵理(獨協大学)、山本直子(東洋英和女学院大学)

報告要旨

「生存権は保障されず放置され続ける難民申請者と仮放免者--現状・支援・課題」

大澤優真(一般社団法人つくろい東京ファンド事務局長/立教大学)

 世界情勢の悪化を背景に難民が増加し、日本にも多く逃れてきている。難民申請者は申請から8か月間程度は就労が認められず、申請者のための制度も機能しないことが多く、ホームレス状態に陥る人がいる。現在の運用では97.8%が難民不認定となっている。不認定となったが本国に戻ると生命の危険がある人、日本に生活基盤をもつ人や日本生まれ日本育ちの子供や若者などの中には、帰国せず・できずに仮放免の立場に置かれる人もいる。仮放免者は就労や社会保障が認められない。医食住を確保できず生存の危機に直面し、尊厳のない生活を強いられることがある。本報告では、困窮者・ホームレス支援の視点から、入国まもない難民申請者と仮放免者の貧困の実態、制度の課題を示す。生存のレベルで問題になっているということを共有したい。

「福祉制度の境界が生み出す困難――外国にルーツを持つ子ども・若者の貧困と排除」

山本直子(東洋英和女学院大学)

 ニューカマー外国人の急増から約40年が経過した現在においても、外国にルーツを持つ子ども・若者をめぐる貧困や社会的排除は依然として深刻な課題である。日本に暮らす外国人/外国にルーツを持つ子どもは、生活、福祉、教育に係る制度について曖昧な状況に置かれている。国籍や在留資格によって制度の対象外とされる場合だけでなく、情報不足、言語的障壁、経済的負担などにより、制度を十分に利用できない状態にある。
 本報告では、こうした福祉制度の「境界」に位置づけられ、支援を必要としていながら制度を活用できていない人々に着目する。国および自治体による調査データに加え、当事者や支援団体へのインタビュー調査を用いて、制度から排除されていく過程と、その過程を通じて再生産されていく貧困について考える。

(文責:坪谷美欧子)